勉強しろと言わないで子供を勉強机に向かわせる6つの方法

勉強しない我が子を見て、「勉強しなさい!」という言葉を放ったことは数知れず…。職業柄、そんなお母さんは幾度となく見てきました。
「勉強しろ」と言ってもすぐには勉強しないし、大抵は反抗期真っ只中ですからね。「あーあ、今からするつもりだったのに、やる気なくしちゃったわー」とか言い返されて、お互いを傷つける言葉のドッジボールが始まることも珍しくありません。
そんでもって口喧嘩が終わっても、結局子供は結局勉強しないまま…ということも日常茶飯事かもしれませんね。
消耗戦になるだけだし、できれば「勉強しろ」なんて言いたくない!
というわけで今回は、親御さんにおすすめして実際に効果のあった「勉強しろと言わないで子供を勉強机に向かわせる方法」を6つまとめてみました。
1.「勉強しろ」と絶対に言わない
「勉強しろ」とは絶対に言ってはいけません。いいですか。絶対にですよ。
当たり前だろと思うかもしれませんが、これってめちゃくちゃ難しいことなんです。
- 勉強しない子供を見ても
- ゲームばかりしている子供を見ても
- テレビに夢中になっている子供を見ても
- 延々リビングで漫画を読みふけっている子供を見ても
- ぐうたらベッドでスマホをいじっている子供を見ても
どんな様子の子供を見ても、あなたは絶対に「勉強しろ」と言ってはいけません。
冒頭でも述べたように、子供に対して「勉強しろ」という言葉は完全に逆効果。それでもなお、「勉強しろ」という言葉はついつい言ってしまいそうになります。
勉強は親と子供の根気比べ。何があっても「勉強しろ」という言葉は口に出さないよう心がけておきましょう
2.自分が勉強している姿を見せる
塾長時代、生徒から親の愚痴を聞かされることが何度もありました。中でもかなり多かったのが「テレビばっかり見ているお母さんに、勉強しろなんて言われたくない」的なこと。
最近だと「スマホばかり触るな、って言っている親がスマホを触っていた」というのもありましたね。これには失礼ながら大笑いしてしまいました。
そりゃあ一日中ぐうたらしている親に「もっとしっかりしないと、お先真っ暗になるよ!」とか言われても説得力ありません。子供が親の言うことを聞かない理由の大部分は、ここにあります。
子供は親の姿を思っている以上に見ています。子供は親のやるようにやります。”親の背中を見て子は育つ”という言葉もあるくらいです。
子供に勉強してほしいのであれば、まずはあなた自身が勉強して、その姿を見せていくようにしましょう。勉強することは簿記とか漢検とかTOEICとか、なんでも構いません。頑張っているのは子供だけじゃないんだぞ!ということを、自然に伝えていきましょう。
3.子供なりの計画を立てさせる
人は案外、立てられた計画には素直に従う生き物です。それが自分自身で立てた計画ならなおさら。
勉強しない子供には「勉強しろ」と言わない代わりに、勉強計画を立てることを提案してみましょう。
計画を立てさせるから…といって、本格的なスケジュール帳とかカレンダーを用意する必要はありません。大事なのは、子供に自分なりの勉強計画を立てさせるということです。
子供が立てた計画は、ある程度適当であっても構いません。”子供が自分の手で自分のための計画を立てた”という事実の方が何倍も重要なことなんです。
子供に計画を立てさせる流れは、以下を真似していただければOKです。
- 「勉強のペース知っておきたいから、一回計画立ててみて。1ヶ月分くらいでいいよ。作れたらあとで見せてね」と子供に伝える。
- 作ってもらった計画を見せてもらい、「来週あたりにどこまで進んだかまた聞くね」と伝え、1週間毎に計画の進行具合を確認する。
- 計画がしっかり進んでいれば「順調やね」と軽く褒め、進んでいなくても「うん、ありがと」などとだけ言っておく。
- 1ヶ月後にもう一度計画を立てさせる。
- 以下、1~4の繰り返し。
4.自分から勉強してもオーバーに褒めない
「勉強しろ」と言っても勉強しなかった子供が、ふいに自分から勉強をするときがあります。きっと気まぐれか、テスト期間が近いかのどちらかですね。よほどのことがない限り、長くは続きません。こんなときはどんな対応をしたら良いのでしょうか。
よく”自分から勉強したときには過剰なくらい褒めろ”とか言われますが、過剰な褒め方は逆効果。特に中学2年生以上の子供にとっては、気持ちを白けさせる原因となります。
かといって、せっかく子供が自主的に勉強しているのに何もしないのもナンセンス。子供も少なからず何らかの反応を求めているはずです。
子供が自主的に勉強していたのであれば、勉強が一段落ついたときを見計らって「お疲れ様。頑張ってるね」と一言声をかけておきましょう。また、次の項目で述べる方法も有効です。
5.自分から勉強していたらお茶菓子を届ける
子供が勉強しているときには、極力子供に近づかないようにするのが鉄則です。基本的に子供は「何かしている様子を親に見られたくない」と思う傾向があります。
勉強しているときも例外ではなく、勉強している部屋に勝手に入れば「勝手に入るな!」とか言われるのがオチ。子供の神経を逆なでするだけで終わってしまいます。
そんなときには、勉強部屋にお茶菓子を持って行ってあげましょう。お茶は、集中力が上がる熱めの紅茶がおすすめです。お菓子はポッキーとかビスケットなどの手が汚れないものがいいですね。
「お茶菓子持ってきたから、ここに置いておくね」と言って、部屋の入り口の側にでも置いておきましょう。もちろん勉強机まで持っていけそうであれば、直接持って行けばいいです。
お茶菓子を持ってきてくれる親に、反抗心を向ける子供はいません。多少素っ気ない素振りをするのも、なんとなく恥ずかしがっているだけです。
それでいて、あなたが何も言わずとも「なんやかんや、私のこと応援してくれているんだな…」と、子供も思ってくれます。
お茶菓子大作戦。
子供が自分から勉強し始めたら、ぜひ実行してみてください。
6.本気で就職を提案する
いつまで経っても自分から勉強する気配が見られなければ、最終手段です。
あなたも、そして家族も覚悟を決めましょう。
少し真剣な家族会議(夫婦と対象の子供)の場をセッティングして、真剣な口調で次のように話を切り出します。
「卒業したら就職してみたらどう?調べてみたら、高卒(中卒)でも十分に給料のもらえる会社があるみたいだよ。このまま勉強しないんやったら結局どこにも進学できないし、私達も話し合ってそれでもいいか、ってなったから。」
冗談半分とか、本当は進学してほしいんだけどとか、そんな考えは一切捨ててください。夫婦揃って、本気で「就職の道もありだよ」と提案するんです。
子供が「このままじゃ本気で就職することになる!それは嫌だ!」って思ってくれれば、子供は少しずつ勉強するようになっていきます。
もし子供が「じゃあ就職する」って言ったらどうするかって?
就職させましょう。就活させましょう。
子供がそれでいいって言っているんです。子供の機嫌が悪くない限り、そこで発言した「じゃあ就職する」という言葉は本物です。覚悟の表れです。
ぶっちゃけ高校・大学進学なんてできなくても、今の日本なら十分暮らしていけます。僕自身、「覚悟があるのなら進学しなくてもいい」って生徒にも親御さんにも伝えています。
まとめ
「勉強しろ」と言わないで勉強させるには
- 親自身の忍耐力
- さりげない応援
- 親自身の覚悟
の3つが必要な要素になってきます。
「勉強しろ」と言わないことは予想外に大変で、かなりのストレスにもなってきます。
そして忘れてはいけないことが、あなただけが頑張っても意味がないということ。
あなたの家族のうち一人でも「勉強しろ」という言葉を投げかけてしまえば、意味がなくなってしまいますね。
家族全員の協力があって初めて、子供は自主的に勉強するように育っていくんです。
あなたも「勉強しろ」と言うのに疲れ果ててしまっているのなら、今一度家族と話し合って、これら6つの方法を試してみてください。
>>次のページは
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とても参考になります。
中学受験撤退退塾した小6男子の母です。自己肯定感が下がり、ゲームに依存しかけで親も苦しいです
キレやすくなり、一時不登校になりかけました。何とか友達のおかげでいくようになりました。
今は、休んでいた剣道を週4回いってます。体は発散できてます。すぐに、何かあると心が折れてます。寝坊やケンカなど些細な事で、すぐひきこもります。
今は、テレビ2時間、ゲーム1時間でだらだらして三ヶ月。
心配ですが、勉強しろとはいえません。
親が悪いんです。
津本さんのおっしゃるとおりです。
反省と怒りの繰り返しの日々です。
明日から勉強しろとはいわず、人格形成にむけた日々生活にしていきたいです。